年の瀬が近づき、寒さが一段と厳しくなってきましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
12月のピアサポートでは、長崎大学生命医科学域(保健学系)でピアサポートの研究をされている丸田道雄先生をお招きし、「ピアサポートに関する研究の紹介」をテーマにご講話いただきました。
丸田先生には、日頃からピアサポート事務局あじさいでも関わっていただいており、今回は研究の視点から、ピアサポートの意義や可能性についてお話しいただきました。

講話では、まずピアサポートとは何かという基本的な考え方から、ピアサポートの効果についてご説明がありました。ピアサポートは精神疾患に限らず、妊娠・産後の支援やがん領域など、さまざまな分野で実践されていること、また、インフォーマルな関わりから仕事として行われるピアサポートまで、その形態が非常に幅広いことが紹介されました。
ピアサポートの効果については、リカバリーの促進やエンパワメントの向上が、研究の中で一貫して小さい効果が確認されていることを教えていただきました。ピアサポートを様々な場で展開し、続けていくことの大切さを改めて感じました。
実践例としては、精神科医療機関におけるデイケアやショートケアの場で、ピアサポーターが活躍する可能性について紹介されました。一方で、医療機関が抱える課題や不安についても触れられ、ピアサポート活動に関する不安として最も多かったのが、ピアサポーターの「体調や不安の変化」であり、全体の83%を占めているという結果が示されました。
また、医療機関側が実施したいと考えているピアサポートと、実際に行われているピアサポートとの間には大きな差があることも明らかになりました。例えば、理解促進のための研修については、78%の医療機関が実施を希望しているにもかかわらず、現状では30%程度の実施にとどまっているとのことでした。
質疑応答では会員より「医療専門職の視点から、患者様はどのような話をピアサポーターに求めていると思われますか?」という質問がありました。これに対し丸田先生からは、「長期入院をされている方の中には、具体的な地域生活について考えられるような話を聞きたい方が多いと考えられるが、その生活自体をイメージできない方も少なくない。実際にピアサポートを行うことは、患者様がこれから希望を持てるきっかけになる」というお話がありました。
前回のピアサポートに引き続き、今回も医療機関におけるピアサポートについてお話をうかがい、医療の現場でのピアサポートの可能性を改めて感じる機会となりました。今後は、医療機関との理解や連携を深めながら、協働してピアサポートを進めていくことの必要性を大切にしていきたいと感じています。
事務局スタッフO
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