秋も深まり、朝晩の冷えが感じられる季節となりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。今回は、道ノ尾病院と田川療養所の方々をお招きして行った、「医療機関におけるピアサポートの展開と可能性」についての意見交換会についてご報告いたします。どちらの医療機関もピアサポーター事務局あじさいのピアサポートを導入した経験があり、現場のリアルな声を直接伺うことができました。
道ノ尾病院では、ピアサポートが作業療法(OT)の活動に自然に馴染むことや、今後ピアサポーターの雇用の可能性があることが話題に上がりました。また、家族会でピアが活躍できる場面も考えられるということで、活動の幅の広がりを感じることができました。その一方で、現場のスタッフにはまだピアサポートについて知らない方も多く、雇用を進める際には合理的配慮も含めた受け入れ体制づくりが必要だという課題も共有されました。
田川療養所では、のぞみ会と連携して精神障害者ピアサポーターの試験雇用を進めていきたいという前向きな提案がありました。また、長期入院されている方を対象にピアサポートを導入できないかという検討も行われています。ただし課題として、長期入院されている方と地域で暮らすピアサポーターとの間で共通の体験があるのかどうか、という点が挙げられました。生活環境や日常のリズムが大きく異なる場合、関係性を築くうえで工夫が必要であることが分かりました。
意見交換では、ピアサポーターから「専門職だけでは患者さんから聞けなかったことを聞けてうれしかった」という感想がありました。また、「発言が遠慮がちになる方も多く、病院スタッフが一緒に参加してくれると場の雰囲気が和らぎ、話しやすくなる」という意見もありました。
ピアサポーターの中には、「雇用に関わらず活動の幅を広げていきたい」「役割が広がっていけば」と考える方もいました。こうした意見に対して、病院スタッフは「ピアサポーターから直接話してもらう方が説得力が出る」「当事者研究の場にいてくれたら」と期待を語り、ピアサポーターにはぜひ医療機関で活躍してほしいと考えていることが伝わりました。また、ピアサポーターの1人は「リハビリテーションまで行かなくても、雑談より価値のあるものがピアサポーターだからこそ提供できる」と話しており、経験に基づく支援の価値が確かに医療の現場で求められていることを実感しました。

今回の意見交換を通じて、医療機関とピアサポーターの協力には課題がありつつも、可能性は確実に広がっていることを感じました。スタッフへの理解促進や受け入れ体制の整備、長期入院の方との距離をどう縮めていくかといった課題を一つずつ整理しながら、今後も医療機関とピアサポーターの協力体制を深めてまいりたいと思います。(スタッフY.O)
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